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紙の種類と入手方法

私の知る諸々をここに記す。情報提供してくれると、日本全国の紙情報をまとめたナイスなページになるであろう。
→情報集積という意味で https://w.atwiki.jp/origamidatabase/ を見る/編集するほうがおすすめ。

1.紙がわからないあなたへ

ちょくちょく店舗名を添えているが、その詳細は2章を参照のこと。もちろん、書かれていない店舗でも扱っているところはあるだろう。

和紙

雁皮(ガンピ)、三椏(ミツマタ)、楮(コウゾ)

雁皮、三椏は切り出すだけで超優秀な折り紙用紙になる。値段は高い。

楮は毛羽立ちが目立ちやすく張りも少し劣るためやや扱いにくいが、CMCで糊引きするとかなり良くなる。上記2つより安くて入手しやすい。楮に雁皮あるいは三椏を混ぜた紙もあり、これらはほぼ糊引きいらず。

ただし、白系以外の色(=染めてある紙)は楮以外はとても見つかりにくい。東京の小津和紙で越前雁皮紙(菊判?)、近江王朝色雁皮紙(40cm*60cmくらい?ちょっと小さい)を見かけた程度。

毛羽立ちを除けば、いずれも繊維が目立たず、つるっとしたテクスチャ。

雲竜紙

単体だと張りがなく正直このままでは折り紙には向かない。薄い雲竜紙をCMCで糊引きすれば折りやすい紙に様変わりする。雲竜はほぐれていない繊維が混ざっていて特有のテクスチャがあるので、それを活かした表現ができるとかっこいい。

小原和紙(@小津和紙、はいばら)

和紙は産地で分類されることもある。小原和紙は薄さはないものの一種のステレオタイプな和紙の質感があり、適度な張りがあって折りやすい。色も豊富である。割とポピュラーなのではないかと推測している。

黒谷和紙(@小津和紙)

小津和紙では「黒谷x匁」(xは正の整数)という名前で売っている。色はないけどとても折りやすい。雁皮などと同じくらいおすすめ。

因州紙(@はいばら)

白しかなかったが、楮と雁皮 or 三椏の混合と思われる紙質でおすすめ。どこかでは染めたのも売ってるらしい(Twitter情報)

五雲箋(@はいばら)

色は少ない(5色?)。楮主体の紙と思われる。それなりに薄く、CMCなしでも折れる。

越前もみがみ(@世界堂 新宿店、廃盤)

裏白になっている。もみ紙特有のテクスチャでありながらしっかりとしていて、適度な厚さで折りやすい。色分け有りの動物を折る場合の良い選択肢の一つ。ごり押しで40等分蛇腹もできるとかなんとか。扱う店舗は少ないように思われる。もう現品限りで手に入らなくなるのは悲しい。

洋紙・和洋紙

里紙

The 和紙といった見た目に仕上げられた紙。一番薄いもので大きく切り出せば北條氏のヴァイオリニストくらいは折れる(一部ウェットフォールディングなど工夫が必要かもしれない)。地味な色が多い。

ビオトープGA

45kgだったか50kgだったか、薄いのを選ぶとかなり使える。等分数少な目の蛇腹やピュアな角度系を折るならおすすめ。

ファーストヴィンテージ

ビオトープGAと似た感じ。

新だん紙、ぬのがみ

四六判65kgと薄めで折り目も付きやすそうだった。テクスチャは違うが、新だん紙とぬのがみに大きな差はないように感じた。新だん紙を折ったところ、ちょっと張りがない感じがした。

カラぺシリーズ

超絶薄い。CMCで糊引きすればジャバラー大歓喜。糊引きしないとすごく折りにくい。裏打ちはCMCよりもスプレー糊のほうがよさそう。

カラぺラピス(廃盤)

チャコールのカラぺの片面にラメ加工がされていてその分張りがある。薄くて加工いらずなのでおすすめしたいところだが、ラメの色が渋い(暗い青、暗い緑、赤銅、暗い黄)ので使いどころが難しい。竹尾製品を扱う店なら置いてあるかもしれないし、取り寄せできる可能性もある。おりがみはうすでは30cm角に切り出したものが売られている。

タント

薄いほうを選べばそこそこの角度系は折れる。ただし、折りが戻りやすい。厚いほうを選んでウェットフォールディングする人が多いかもしれない。

コルキー

厚手系統で、爬虫類作品に合いそうなテクスチャ。わざと厚いのを選んでウェットフォールディングするのが最適か。

レザック

厚手系統。大学のシラバスの装丁なんかに使われているかもしれない。基本的にはコルキーと同じ扱い(テクスチャは異なる)。

裏打ち

2枚の紙(あるいは1枚の紙とアルミホイルとか、3枚以上とか)を糊で張り合わせること。和紙で裏表2色欲しい場合は裏打ちするしかない。

糊はCMCが良く使われると思う。ホイルを張るときはスプレー糊。スプレー糊は臭くて明らかに体に良くない感じがするので、屋外で使用すべき。スプレーなだけに拡散しやすく部屋も汚れると思う。

でかい折り畳みテーブルを買ってきて裏打ち専用台にすると、60cm*90cmをそのまま張り合わせられる(かなりの力技。一つの台をスプレー糊とCMCの両方に使うと事故るかも)。プラスチックや木でできた板でなんとかするという話もよく聞く。

CMC糊の注意点

数年経つと黄ばむ恐れがあります。永久保存版を折る際など、変色が好ましくない場合はお勧めしません。

2.店がわからないあなたへ

ここにあるのは私の知る範囲のものでしかない。「xxx(地名) 紙」とかでネットを検索すると、それなりに情報が得られる。

北海道

大丸藤井セントラル (札幌):
地下一階にカラペ系、和紙、洋紙だいたいなんでもある。ばら売り。竹尾の見本帳から取り寄せ可能。

石田文房具店(函館):
函館では有名な文房具店。2階に紙コーナーがあり、カラペ、和紙がある。折り紙向きの洋紙はほとんどないが、銘柄を指定すれば取り寄せ可能かもしれない。いわゆる「おりがみ」の全紙サイズが置いてあったのを見たときはツボった。

情報募集中。セントラルが素敵。

東京

小津和紙:
和紙の大本命。はいばらより有名(と思われる)で種類もはるかに多い。免震工事を終えて土曜も営業するようになった。染めた雁皮紙(越前雁皮紙)に目がいくもののお高い(1200円くらい)。黒谷3~4匁、張りのある楮紙など折り紙向きと感じられる品が多い。ロール1mあたり900円程度の雁皮薄口は、色を気にしなければお得かもしれない。

日本橋 はいばら:

和紙専門の老舗らしい。土曜もやってて普通のサラリーマンに優しい。40cm*50cmくらいの国産雁皮紙を400円台で売っている。他にも色々な地域で作られた和紙がある。色の少なさと毛羽立ちが目立つものの、染めた紙だと五雲箋がなかなか良い(価格とのバランス的に)。小原紙もいける?白一色だと因州紙。

世界堂 新宿本店:
タントなどの洋紙の他、和紙も扱っている。カラペ系もあるらしいが、高圧縮作品をあまり創作しないので個人的には眼中にない(でもカラペラピスは良いかもしれない)。私の中では越前もみがみ専門店である。越前もみがみは1枚200円超くらいと安く、裏白なので色変えのある作品には使いやすい(テクスチャが合うならば)。すぐそばの新宿御苑と合わせて行くと1日楽しめる。映画館も近い。

紙舗 直:
行ったことなし。かの聖地・白山に存在するとのことで興味津々である

竹尾見本帖本店:
洋紙といえば竹尾。御茶ノ水。店頭在庫があれば、その場で全紙サイズで買える。しかし、在庫は豊富とは言えないので、関東に住んでいる人なら取り寄せを駆使することも多いかもしれない。

紙とか風流な文化的物産は東京の北半分に集まってる雰囲気で、南側住人には辛い。

北陸地方

紙文房 あらき(金沢):
金沢が誇るオシャレスポット香林坊エリアから北に行ったところにある。和紙は雲竜とか友禅紙?(和柄で染められたやつ)がほとんどで、薄手の楮と未晒し雁皮がある程度。洋紙もビオトープGA 45kgがあるけど色数少なめ。里紙 70kgがあったかもしれない。竹尾から取り寄せ可能。→最近店主が折り紙に力を入れているらしく、向いている紙を各種扱っているらしい。

ショールーム 紙あさくら(金沢):
和紙+和洋紙。隣接してる工房で漉きや染めもしてくれるらしいが値も張るとか。染めた和紙は楮、雲竜、もみ紙と後は麻など風変りなもの。2階は雁皮など全国から取り寄せた紙がある(染めてないのがほとんど)。応対してくれたおばちゃんが面白かった。

紙処 なごみ(石川県):
未訪。和紙。品揃えに癖がありそう。いまいちかも。町はずれにあるので行きにくい。私のいるところからだと南北が正反対でもっと行きにくい。

越前和紙の里(福井県越前市): Twitterに流れて来たのを見た感じだと、すごいっぽい。

東海地方

紙の温度(愛知県):
未訪。とにかくすごいという噂だけはよく聞く。

ますたけ(静岡県):
未訪。折紙界のドンY氏とつながりがあるとかないとか。

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